27日の日曜日の朝のNHKのドキュメンタリー番組で「中村哲の声が聞こえる」という番組を観た。生き方に悩み、中村哲さんの下で働いた「ワーカー」という若者たちのその後を追った興味深い番組であったが、その中で中村哲さんがよく口にした座右の銘ともいうべき言葉が、最澄の「一隅を照らす」であったのが印象に残った。「それぞれが、自分の手の届く範囲で社会に役立つことをやればい良い」という意味であるが、簡単そうで難しい。自分に何が出来るのか?と生き方を問われる厳しい意味がある言葉である。
かなり前の精神神経学会の特別講演で、中村哲先生の講演を一度だけで聞いたことがあります。アフガニスタンの用水路建設の話が中心であったが、その中で「小医は病を医す 中医は人を医す 大医は国を医す」という言葉について触れられていましたが、中村先生は自ら命がけで大医の行いを実践された立派な方であったと心から尊敬しご冥福をお祈りいたします。これから、先生の遺された著作を少しずつ読んで行きたいと思っています。
日々の臨床に携わる私も、大医は無理でも、せめて中医にはなれるように努力し、西山の地から一隅を照らす医療をして行きたいと思っています。
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