先日の記事、陸軍鉄橋遺構に関連して、下の本を読みました。
日中戦争の勃発した昭和12年以降兵器不足となり、軍需工場建設の為に名古屋に近くてまとまった土地が確保出来る点に目を付けられ、今の春日井の農村地帯が軍需工業用地(陸軍の軍都)になり昭和18年6月1日に勝川・篠木・鳥居松・鷹来の4町が合併して春日井市が誕生しています。
春日井以前に市制が施行された、名古屋、豊橋、岡崎、一宮、瀬戸、半田などは城下町や産業の中心地であり、もともとへそとも言うべき町の中心がありました。それに比して、春日井と海軍の軍都である豊川市だけが、戦争の為に急ごしらえで作られた市なのでへそがありません。「春日井市の中心はどこですか?」と聞かれても答えが出て来ないまま、今に至っています。
銃を作る軍需工場であった鳥居松地区(現在の王子製紙工場のある場所)と弾丸を作る工場があった鷹来地区(現在の市民体育館や名城大学農場、パナソニック春日井などがあるエリア)とその分工場であるエリア(現在の陸上自衛隊駐屯地)は太平洋戦争の末期に空襲目標となり犠牲者も出ましたが、今は跡地の平和利用や公共利用で春日井の産業を支えています。
昭和15年には28587人だった人口が、戦後名古屋のベッドタウンとして急速発展し、今では豊橋、豊田、岡崎、一宮と並ぶ30万人都市となりましたが、他の町に比べて誇れる所が少ない気がします。
町の魅力は京都を例に出すまでもなく、文化や芸術の熟成度だと思います。愛知県の他の30万都市は自前の美術館を持っていますが、春日井に無いのは町にへそが無いことと関係がある気がします。市を引っ張って行く人達は、長久手のジブリパークをお手本に、他の町には無い様な施設を作り文化都市を目指して欲しいと思います。
この本は、春日井の歴史を知る上で面白いので、手に取って読まれることをお勧めします。
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