昨日、三重県美術館まで行って『小野竹蕎展』を観てきました。
竹蕎は雲の画家とも言われます。画家として将来を嘱望された息子の春男さんを戦争で亡くしてから、息子の魂が雲の上にある様に感じて、そこから空に浮かぶ雲に関心を寄せ、その姿を懸命にとらえる様になりました。雲の絵の背後には父と息子の切ない物語がありました。
その後、竹蕎は眼前の景色から心に響く部分を抽出し単純化して、簡潔な造形で心象風景を現わす方向へ至りました。戦前の絵に比べて、戦後の絵の方がシンプルかつカラフルになり私は好きです。
今回の展覧会のポスターにもなった、《樹間の茜》1974年は、写生を重視した竹蕎が、最晩年に写生をせずに頭の中に浮かんだイメージを絵にしたという竹蕎の到達点とも言える作品です☟
昨日の鑑賞体験の後で見た、今日の当院から見えた茜色の空も何かいつもと違った感じがして素晴らしかったです。
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