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妖怪 百鬼夜行展

 昨日、名古屋市博物館の水木しげるの妖怪 百鬼夜行展覧会の最終日に行ってきました。「塗り壁」は福岡県の言い伝えに登場する妖怪で夜道を歩いていると急に行く先が壁になり、どこへも行けなくなる妖怪です。水木さんも出征先のラバウルで同様の現象に遭遇したとのことです。メンタルの患者さんも何らかの壁にぶつかり先へ進まない鬱状態を経験しておられるかと思いますが、もしかしたらこの妖怪に取り憑かれているのかもしれません。どうか壁を突破する気力を甦らせてください。

 私が一番気になった妖怪は「いそがし」という妖怪です。熊本県八代市の松井文庫が所蔵する妖怪絵巻「百鬼夜行絵巻」に描かれている日本の妖怪です。水木さんはこの妖怪を紹介した当時の1990年代に当時の日本人を「この妖怪が取り憑いている」と批判していましたが、現在の日本人も口を開けば皆「いそがしい」と言っているので、昔も今も全然変わっていないですね。私も取り憑かれているのかもしれません。働き過ぎは良くないと自戒しました。

 ポストカードの売れ行きや、観客の人の反応から、妖怪の人気ナンバーワンは「アマビエ」の様でした。1846年5月に肥後の国の海上に光り輝いて現れ役人に対して「当年より6か年の間は諸国で豊作が続く。しかし、同時に疫病が流行するから、私の姿を描きうつして人々に早々に見せよ」と予言めいたことを告げ、海の中に帰って行った妖怪です。今の日本もコロナ禍以降株価も右肩上がりですが、コロナウイルス感染症はなかなか収束せずインフルエンザも流行ってきている状況で、予言の状況とよく似ている気もします。アマビエ人気は人々のコロナ終息への期待が現れていると思いました。

『アマビエ』ポストカードは売り切れ、看板ですいません☟