· 

河井寛次郎の書

現在、豊田市民芸館で開催中の河井寛次郎展に行って来ました。陶器や木彫などの作品も良かったですが、寛次郎の書はエネルギーを感じられて特に良かったです。

『眼聴耳視(がんちょうじし)』

眼で聴き、耳でみること。元々は、禅の言葉であるとのことであり、深長な意味を持ち人により色々と解釈されています。精神科医の私には患者さんが人には聴こえない声を聴いたり、人には見えない物を視る様な感覚が研ぎ澄まされた感覚と似ている気がしました。それは、河井寛次郎の様に一つのことを突き詰めた天才の境地にどこかで通じるのではとも思いました。

『喜者皆美』

『手考足思』

『井蛙知天』

『荘子』に出て来る言葉です。「井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さを知る」。世間知らずでも一つのことを突き詰めれば物事の真髄をつかめると解釈され、当時の河井氏の心境と重なります。

私もクリニックという井の中に居ますが、「日々新しい自分を見つけるために」仕事をして行きたいです。

『いのちの窓』から名言4点☟