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男時・女時

 世阿弥の『風姿花伝』の中の言葉に「男時(おどき)・女時(めどき)」がある。男時は勢いがある時、女時はその逆の時。人の気の流れは移ろいやすく、自分の努力だけではどうしようもない流れの時もあるので、そんな時はひたすら今自分がやれることをやって次に来る男時を待つしかない。待っていれば転機(チャンス)がいずれ訪れる。と、高田明さんの本に書いてありました。

 長年クリニックを運営していると、日により患者さんが全然来られない日もあれば、沢山固まって来られる日もあるなど波があります。時々入る祝日や連休や天気などの妙の影響で極端に患者さんが少ない日もあり、患者さんに見放されたか?と思う程の辛い時です。そんな時はお預かりしていてまだ書けていなかった診断書を書いて次に繋げる作業の時間に充てることが多いです。

 不遇の時に先を見据えて努力を積み重ねることが大事であることを世阿弥の「男時・女時」という言葉から学びました。日々の診察の中で患者さんにも伝えて行きたいことです。