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レメロンの意味

 私が良く使うミルタザピンは今では後発品使用が主であるが、昔先発品しかない時代は明治の「リフレックス」とMSDの「レメロン」が競合して同じ中身の薬を売っていました。リフレックスの方がリラックスやリフレッシュを合わせた造語で入って行き易く、営業力の差もあり、よく売れていた様です。

 しかし,その頃の私はレメロンの方が深い意味があると思い、それにふさわしい状況の人にはあえてレメロンを処方していました。レメロンはオランダのゼーランド州の紋章にも刻まれている「Luctor et Emergo」の中から「R-E-MER-0」を抜き出して命名されました。この言葉の意味の和訳は「私は戦い、そして浮上する」、「苦労しても最終的には抜け出す」「努力は実を結ぶ」「冬来たりなば春遠からじ」などさまざまです。私はいつも逆境にいて毎日何とか抜け出す術はないものか?と悩み喘いで過ごしていますので、この言葉は身に染みます。

 明治さんは先発品と後発品を両方売るという商売上手で、先発品のみのMSDさんは現在ではレメロンを売る気は全く無くなってしまいました。しかし今ではあまり処方されなくなったこの薬に込められた言葉の意味は素晴らしく今でも燦然と輝いていると私は思っています。