我遭人(がほうじん)

 昨日は豊田まで昨年新しく出来た豊田市博物館を観に行って来ました。建築家・坂茂氏設計の建物は木を多用した斬新な建築で、隣にある谷口吉生氏設計の豊田市美術館とは違った個性で並び立つ光景は圧巻でした。

 二つの建物の間にある高橋節郎館もリニューアルしており、特別展「━我遭人 われ人に遭うなり━」が開かれていました。「我遭人(がほうじん)」とは道元の言葉より、出会いから新たなものが生まれることの尊さを説いた禅語です。漆芸の高橋の芸術が色々な人からの影響を受けて確立されたということを辿る趣旨の展覧会でした。

 私の日々の仕事も日々人に遭うという診療行為の積み重ねで成り立っています。ある患者さんの治療から受けた学びが別の患者さんの治療に役立つ、それがまた次の人につながる、そして自分の技量もまた磨かれる。その繰り返しです。

診療の上での出会いや縁は偶然性もありますが、出会うべくして出会ったという必然性の要素も含まれていると私は思います。診療スタッフとの出会いも同様かと思います。これからも縁を生かし、その中から新しい価値を生み出すような診療活動を続けて行きたいと思っています。

 

豊田市博物館☟

豊田市美術館☟